永青文庫
Eisei Bunko Museum
概要
館の概要
旧肥後熊本藩54万石の藩主・細川家に700年にわたって伝来した美術品・歴史資料を収蔵・展示する、武家文化の至宝を今に伝える美術館である。「永青文庫」の名は、細川家の菩提寺・永源庵の「永」と、細川家の家祖・頼有の居城・青龍寺城の「青」に由来する。1950年(昭和25年)、第16代当主・細川護立(もりたつ)侯爵が設立し、現在は第18代当主で元首相の細川護熙(もりひろ)氏が理事長を務める。
刀剣秘宝
刀剣コレクションは、細川家歴代当主が武家の矜持をもって蒐集・伝来させた名品揃いである。最大の至宝は国宝「太刀 銘 豊後国行平作」。豊後国(現在の大分県)の刀工・行平は平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した名工で、柔らかく流れるような刃文と優雅な太刀姿は、九州鍛冶の最高峰に位置づけられる。行平の作は現存数が極めて少なく、本作は行平の技量を知る上で最も重要な一振りである。
書跡と文献
もうひとつの目玉が「歌仙兼定」として名高い和泉守兼定の刀である。この刀は細川忠興(ガラシャの夫)が所持したと伝えられ、忠興が家臣36人を手討ちにしたことから、三十六歌仙になぞらえて「歌仙兼定」と呼ばれるようになった。和泉守兼定は美濃伝の名工・二代兼定(之定)であり、その切れ味は「関の兼定」として戦国時代に絶大な名声を博した。近年は歴史ゲームの影響もあり、若い世代の来館者も急増している。
学問資料
刀装具のコレクションも充実しており、細川家伝来の格式高い拵や金工の名品が揃う。武家の教養を反映した書画・茶道具・能面なども所蔵品に含まれ、武と文を兼ね備えた細川家の家風を体感できる。
研究機関
建物は目白台の閑静な高台に佇む旧細川侯爵邸の一角で、昭和初期の趣ある洋館がそのまま展示施設として使用されている。建物自体が歴史的価値を持ち、大名屋敷の名残を感じさせる庭園の緑も心地よい。隣接する肥後細川庭園(文京区立)は無料で散策でき、神田川沿いの風景とともに静かな時間を過ごせる。
見どころ
- 国宝「太刀 銘 豊後国行平作」──平安末〜鎌倉初期の豊後国の名工・行平の代表作。柔らかく流れる刃文と優雅な太刀姿は九州鍛冶の最高峰。現存数極少の行平作品の中で最も重要な一振り
- 歌仙兼定(和泉守兼定作)──細川忠興所持と伝わる名刀。忠興が家臣36人を手討ちにした逸話から三十六歌仙に因んで命名。美濃伝の名工・二代兼定(之定)の傑作
- 細川家伝来の刀装具コレクション──700年にわたり守り継がれた格式高い拵・鐔・小柄・笄・目貫の名品。大名家ならではの気品と技巧の粋
- 旧細川侯爵邸の歴史的建造物──昭和初期の趣ある洋館をそのまま展示施設として使用。建物自体が文化財級の価値を持つ
- 隣接する肥後細川庭園──文京区立の池泉回遊式庭園(入場無料)。神田川沿いの静寂な環境で、美術鑑賞後の散策に最適
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。