瀬戸内海歴史民俗資料館
Setonaikai Folk History Museum
概要
博物館の概要
瀬戸内海地域の歴史・民俗・文化を総合的に収集・研究・展示する香川県立の博物館である。五色台(ごしきだい)の標高約300メートルの高台に位置し、展望台からは瀬戸内海の多島美を一望する絶景が広がる。1973年(昭和48年)の開館以来、瀬戸内海という日本の内海がいかに人々の暮らし・文化・交易を育んできたかを、豊富な実物資料で紹介し続けている。
民俗資料
刀剣関連では、讃岐国(香川県)ゆかりの刀工の作品と、瀬戸内水軍に関連する武具・刀剣が見どころである。瀬戸内海は古代から中世にかけて海上交通の大動脈であり、村上水軍に代表される瀬戸内水軍は、その制海権を握る強大な武装勢力であった。水軍が使用した薙刀・太刀・短刀などの武器は、陸戦とは異なる海上戦闘に適した独特の形態を持つものもあり、武器学的にも興味深い。
刀剣展示
讃岐国の刀工としては、鎌倉時代に活動した「讃岐国住為次」「讃岐国住藤原正恒」などの名が伝わるが、備前・山城といった大産地に比べると現存作品は少なく、展示品は貴重な資料価値を持つ。四国は全般的に刀剣の産地としてはあまり知られていないが、讃岐は瀬戸内海を隔てて備前(岡山)と近接しており、備前鍛冶との技術交流があったとも考えられている。
瀬戸内文化
重要有形民俗文化財に指定された漁労用具・船大工道具・製塩用具など約6,600点の収蔵品は、瀬戸内海の海洋文化を知る上で第一級の資料群である。漁船の模型・帆船の復元模型なども展示され、海とともに生きた人々の営みが生き生きと伝わってくる。
生活文化
建物自体が建築作品としての評価も高い。建築家・山本忠司(1923-2005)の設計による本館は、コンクリート打ち放しの力強い造形が五色台の自然と見事に調和し、日本建築学会賞を受賞している。瀬戸内の石や木を随所に配した内装は、地域の風土と一体化した空間を生み出している。屋上展望台からの瀬戸大橋と多島美の眺望は、晴れた日には感動的な美しさである。
保護継承
入館料が無料であることも特筆すべき点。瀬戸内国際芸術祭の開催期間中は、五色台周辺にもアート作品が点在し、現代アートと歴史資料の両方を楽しめる。
見どころ
- 讃岐国ゆかりの刀工の作品──鎌倉時代の「讃岐国住為次」など、現存数の少ない讃岐鍛冶の貴重な資料。備前鍛冶との技術交流の痕跡も研究対象として注目
- 瀬戸内水軍関連の武具・刀剣──村上水軍に代表される瀬戸内水軍が使用した薙刀・太刀・短刀など。海上戦闘に適した独特の武器形態は武器学的にも興味深い
- 重要有形民俗文化財を含む約6,600点の収蔵品──漁労用具・船大工道具・製塩用具など、瀬戸内海の海洋文化を知る第一級の資料群
- 山本忠司設計の建築(日本建築学会賞受賞)──コンクリート打ち放しの力強い造形と五色台の自然が調和。瀬戸内の石と木を活かした地域一体型の建築空間
- 五色台の高台からの瀬戸内海の絶景──屋上展望台から瀬戸大橋と多島美を一望。入館料無料という点も見逃せない
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。