ふくやま美術館
Fukuyama Museum of Art
概要
博物館の概要
福山城公園内に位置する広島県東部の文化拠点たる市立美術館である。1988年(昭和63年)の開館以来、近現代美術を中心としたコレクションで知られるが、備後国(びんごのくに・現在の広島県東部)の歴史と武家文化に関する展示にも力を入れている。
刀剣展示
備後国は、備前国(岡山県)の隣国として古来より刀剣生産が行われた地域である。備後の刀工としては、鎌倉時代の「三原派」が特に重要で、三原国光・正家・正広らが活躍した。三原派は「三原正家」の名で広く知られ、備後三原の地で独自の作風を確立した。山城伝の影響を受けた穏やかな直刃の作風が特徴で、実用的な品質の高さから多くの武士に愛用された。本館では、こうした備後鍛冶の歴史と作品に関する資料を所蔵している。
工芸品
福山藩主・阿部家(老中首座を輩出した名門譜代大名)伝来の武具・刀剣に関する展示が行われることもある。阿部家は徳川将軍家に近侍する譜代大名の筆頭格であり、その家格にふさわしい質の高い武具が伝来している。企画展では阿部家の大名道具や、幕末の福山藩の歴史に関連する展示が組まれることがあり、地域の武家文化を知る貴重な機会となっている。
歴史資料
近代以降のイタリア美術コレクション(マリノ・マリーニの彫刻など)でも知られ、東西の美術を一館で鑑賞できる多面的な美術館である。エントランスホールの開放的な空間設計と、自然光を取り入れた展示室は、快適な鑑賞環境を提供する。
教育機能
隣接する福山城は、2022年に築城400年を記念して大規模な改修が行われ、リニューアルオープンした。全国的にも珍しい新幹線駅至近の城郭で、北面の鉄板張りは全国唯一として注目を集めている。福山城天守閣の博物館と合わせて訪問すれば、城と刀の両方を堪能できる。
文化発展
福山は瀬戸内海に面した温暖な街で、鞆の浦(潮待ちの港として栄えた風光明媚な港町・宮崎駿『崖の上のポニョ』の舞台のモデルとも)、尾道(坂の街・映画の街として有名)などの観光地へのアクセスも良好。備後の歴史文化と瀬戸内海の自然美を満喫する旅の拠点として、ふくやま美術館は好適な立ち寄りスポットである。
見どころ
- 備後国の刀工「三原派」に関する資料・作品──鎌倉時代の三原国光・正家・正広らが確立した備後三原の作風。山城伝の影響を受けた穏やかな直刃が特徴
- 福山藩主・阿部家伝来の武具展示──老中首座を輩出した名門譜代大名の家格を物語る質の高い武具・刀剣。企画展で公開されることがある
- 福山城に隣接するロケーション──2022年に築城400年を記念してリニューアルされた福山城天守閣の博物館と合わせて、城と刀の両方を堪能
- 地域の武家文化を紹介する企画展──備後の歴史、阿部家の大名道具、幕末の福山藩など、地域に根ざしたテーマの展覧会を開催
- 近代イタリア美術コレクション──マリノ・マリーニの彫刻など、東西の美術を一館で鑑賞できる多面的な展示構成
※開館時間・展示内容は変更される場合があります。訪問前に公式サイトをご確認ください。